入庫とは?入荷との違いや効率的に行うポイントを物流のプロが解説

更新日 2024.04.19
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入庫とは?入荷との違いや効率的に行うポイントを物流のプロが解説

入庫とは?

入庫とは、商品が倉庫に入ることを指します。主に物流で使用される用語ですが、自動車を車庫に入れることや、証券会社が株券などを受け入れて預かることなどの意味も含んでいます。
今回の記事では、物流における入庫について説明します。

物流での入庫は、倉庫に保管する商品の個数や置く場所・ロケーションを明確にし、在庫管理を行うシステム上に商品の在庫を計上することを指します。具体的には、倉庫に商品が入ってきただけではなく、個数を確認し、ロケーションを定め商品を移動(別名、棚入れとも呼ばれ、商品を決められたロケーションにて保管する)、システムへ計上・登録する一連の作業を入庫作業と呼びます。

入庫と入荷の違い

物流の業務・工程にて入庫と混同されやすい言葉として、入荷があります。入荷とは、仕入先等から倉庫に届いた商品や荷物を搬入し、受け取ることです。

つまり倉庫に商品が入ってきた段階が「入荷」であり、その商品を保管のために決められたロケーションまで移動することが「入庫」となるため、入庫の範囲でも、前段階の処理が入荷となります。
例として、宅配業者が届けてくれたチルド品を受け取り(入荷)、冷蔵庫のチルド室に入れる(入庫)といった違いがあります。

入荷と入庫は混同されやすいのですが、倉庫内の商品においては別の状況を指すため、しっかりと区別しながら使用することが重要です。倉庫単価の項目においても、「入荷料」や「入庫料」と別のものとして記載されています。

物流における入庫の重要性

入庫は、単に商品を所定のロケーションに間違いなく保管し、管理することで良いものなのでしょうか。答えは否です。理由は、入庫作業が、物流の保管効率の他、生産性や効率化、品質のキーポイントであるからです。

商品特性や在庫回転率を考慮せず保管すれば、倉庫内作業の障害となり、いざ商品を発送しようと準備するときに、作業動線が長くなり時間を要してしまいます。また、入庫の段階で商品の個数や品名、その他付随する登録情報が正確でなかった場合、迅速な商品の発送・配達ができず、顧客満足度の低下につながってしまいます。

入庫時に起こりやすい問題。その原因とは?

入庫時に起こりやすい問題は、「数量差異」と「入庫ロケーション間違い」です。これらは、データ入力時のミスや、保管場所移動の際にハンディターミナルで別ロケーションのバーコードを読み間違えてしまう等、ほとんどが人の手を介した際の人為的なミスが原因で発生します。

こうしたミスは、経験者ではないからといった理由で片づけてしまうのは言語道断です。仕組みを整えることでヒューマンエラーを限りなく少なくし、エラーが発生してもトレースやバックアップが可能な体制を構築することが大切です。

次章ではヒューマンエラーを無くし、入庫を効率的に行うための方法をご紹介します。

入庫を効率的に行うための4つのポイント

入庫を効率的に行うポイントは、以下の4つです。

①倉庫内の整理整頓を徹底する

入庫作業を効率化し、ヒューマンエラーを減らすためには、やはり倉庫内が整理整頓されていることが重要です。整理整頓されていることで、目的外の不要な確認や作業工程を無くすことができ、最短ルートで目的を達成させることができます。
入庫の際に必要となる道具や運搬機器などが、誰にでもわかる場所にあり、手に取りやすい状態であることも大切です。複数名で効率的なチーム作業を行うためには、倉庫内の整理整頓を徹底するべきです。

②ロケーション・フリーロケーションの最適化を行う

ABC分析等を用いて入庫商品のロケーションを最適化することは、作業の効率化とミスの防止に大いに貢献します。入出庫頻度の多い回転率の高い商品は、倉庫の出入口や梱包・出荷場の近くに配置することで、作業員の動線を短くし、作業工程や時間の短縮につながります。
また、入庫作業では、突発的に新しい商品が入るといったイレギュラーに対応するためにも、フリーロケーションを設置しておき、柔軟かつスムーズに対応できる体制を整えておくことも重要です。

③作業動線の見直しを行う

現状の作業動線によっては作業者の負担が大きく、その負担が作業の非効率さやミスの発生につながっているケースもあります。入庫作業の一つに棚入れがありますが、保管棚の向きを変える、通路幅を見直すといった構造上の見直しも重要です。作業者にとって負担なくスムーズに作業できる体制を整えることで、作業時間が短縮され生産性向上や全体コストの削減につながります。

④効率化・自動化を行う機器・システムを活用する

ヒューマンエラーを防ぎ、作業を効率化するために作業の自動化を行うシステムや、物流機器・技術の導入を検討することも重要です。たとえば、目視による見間違いや勘違いを排除できる、バーコード読み取り式のハンディターミナルではなく、文字を読み取るOCR機能が付いたハンディターミナルも検討することで、商品特性に合わせてバーコード以外の情報も取得することができます。ハンディターミナルは指先サイズやスタンド型のものまで幅広く製品ラインナップがあるため、作業効率を高めたい場合は機器選定に力を入れると良いでしょう。

また、投資が可能であれば、自動化倉庫の他、自動識別ソーターや重量選別機によって、商品識別精度を上げる取組みも有効です。
この場合、物流機器の導入を検討するだけではなく、物流機器から読み取った情報を有効に管理するシステムを備え、仕組みを整える必要があります。

入庫といった物流業務はアウトソーシングがおすすめ!

入庫をアウトソーシングするメリット

前章でご紹介したようなポイントを行うにも、仕組みを整える労力、コストを考えていくと、なかなか実現が難しく、現状維持の判断をしてしまうケースが多いのが実状です。現状の物流を改善させたいとご検討いただく際の一つの選択に、物流業務を専門の会社にアウトソーシングする方法があります。
専門の会社は複数のお客様を相手とするからこそ、日々効率的に物流業務を回す必要があります。そのため、物流機器を既に導入し運用、連携されたシステム(WMS)を所有している場合が多く、お客様側のコストは抑えつつ、最適化された物流工程に既存業務を落とし込むことが可能です。

入庫作業(物流業務全般)をアウトソーシングすることで、入庫作業の正確性や生産性が上がり、入庫に必要な人材を自社で確保する手間がなくなるため、コストカットにつながります。また、外部委託することで物流コストを可視化できる点もメリットです。

以下では物流をアウトソーシングするメリット・デメリットを紹介しています。併せてご覧下さい。
物流アウトソーシングのメリット・デメリットとは?利用する際の流れ、委託先の選び方を紹介

物流業務のアウトソーシングなら東神倉庫

東神倉庫では物流業務のアウトソーシングサービスを提供しており、利便性の高い立地にある倉庫を提案しております。周辺環境より作業員を動員しやすく作業員定着率が高いため、熟練スタッフが多数在籍しており、丁寧な作業が可能です。そのため、高品質な物流を提供できます。

物流品質向上のベストプラクティスについては以下資料にて詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

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