【医療機器物流Case①】実績実例をご紹介!

更新日 2024.06.11
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旧薬事法改正時(2005年)より、世界をリードする企業様との取引をはじめ、豊富な取り扱い実績とノウハウをもって、高品質な物流をご提供しております。この記事では、これまでの東神倉庫の取り組みをご紹介させていただきたく考えております。最初にお断りしておきたいと存じますが、あくまで東神倉庫の過去取り組んだ実例実績であり、日進月歩変革のある物流業界では遅れた内容もあるかと存じます。しかしながら、この記事が貴社の課題解消のための一助となりましたら幸甚です。私たちの実績実例がお役に立てられるかは不明瞭ではあるものの、競合他社の皆様に劣らないよう、私たちも日々アンテナを利かせサービス向上のため切磋琢磨していきたい、その思いからご紹介し、業界を盛り上げるべくご紹介することに至りました。
【医療機器物流Case①】実績実例をご紹介! 【医療機器物流Case①】実績実例をご紹介!

取引先例:グローバルに展開する医療機器輸入会社

日本市場への算入当初からお取引のあるお客様であり、日本国内で今もなお事業を拡大されております。今回の内容は[物流業務を自社で対応]していたお客様が、どのような理由で倉庫会社へ業務委託(アウトソース)することとなり、東神倉庫がどのように携わってきたかをご紹介したいと存じます。

問題点と解決策

問題点1.自社物流のキャパシティ不足

事業拡大に伴い物量が増加し、スペースと作業人員に限界が来てしまった。
自社人的リソースもほぼ物流業務に割いている状況で、主要な事業活動に支障をきたしていた。

 解決策 営業倉庫内の運用で保管場所の増減が可能に
 営業倉庫を利用することで繁閑期の物量に合わせ保管場所の増減が可能となった。
 その結果、保管経費が固定費から物量に見合った変動費への転換でコスト削減に。

問題点2.業務属人化

誰もが同じ水準で作業ができないため、作業者の安定供給に不安が付き纏っていた。

 解決策 業務標準化
 誰でも同一水準でできる業務体制により生産性が向上、波動吸収を柔軟にするため、システム、マテリアルハンドリングを導入、駆使し作業者の能力、経験に頼らない統一化した仕組みを構築。

問題点3.運送コストの高騰

自社倉庫からの出荷では、物量が限られている為、配送会社との価格交渉ができず、コストの削減が出来ない状況。逆に配送会社主導の値上交渉に応じざる得ない状況。

 解決策 倉庫業者だからこそのボリュームディスカウント
 多数の配送会社、顧客との取引実績から、全体的なボリュームディスカウント達成
 一般的に、お客様自社で交渉するより有利な物流条件を獲得。

※以下では「問題点2.業務属人化」を主に説明する。

取引背景

ある医療機器輸入会社では、東神倉庫へ委託する前まで自社で物流業務を担い、紙とハンディーターミナルを利用した入出庫作業を行っていたが、事業拡大に伴い物量が増加、自社のキャパシティを越えてしまう恐れがあるとのことで東神倉庫に相談があった実例だ。このお客様にとって物流業務をアウトソースすることは初めてのことであり、外部へ委託すること自体不安に思われていた。当時物流規模はそれほど大きくはないものの、多種多様な製品群、同じ製品でも入数による区別、自社で使用中のハンディーターミナルでは読めないバーコードを使用した“システム管理対象外となっている製品”の存在がある問題に加え、作業者の属人的な経験に大きく依存した業務プロセスだった。東神倉庫はここに注目した。

東神倉庫としてどのような取り組みをしたか

その業務プロセスをそのまま受託することもできたが、いくつかの問題が潜んでいるのではとの考えと、お客様が真に困っている状況を肌身で感じていた為、物流アウトソースの利点である物流専門の業者だからこそのノウハウを加え提案させていただいた。

お客様とヒアリングを重ね、先ずは収集した情報から、今までの在庫数や入庫数、出庫数、納品先等の整理、その後商品毎のABC分析、適正在庫数、各項目の最大値や最小値の算出、ケースやピース毎の集計を経て、タッチ数等の物流波動、荷役規模を実績値から算出した。ヒアリングと分析のみでも提案は可能であったが、更に、現行の業務プロセスとフローを確りと理解しなければ、良い運用提案・構築することはできないとの考えから、東神倉庫の物流の専門家がお客様の物流センターに常駐し、直接状況を把握することが早急な運用構築に欠かせないと判断。常駐に関し提案したところ快く受け入れてくださったことも、共に成長して構築していく考えが一致していたことも東神倉庫としても有難いものであった。

作業者の属人的な経験に大きく依存してしまう業務プロセスの場合、恒常的な品質維持は困難であり、人材不足は常に頭を悩ませる。これは今回のみならず将来お客様の事業規模がさらに拡大した際には必ず障壁となることが容易に推測できた。

最初に取り組むべき課題の選定

作業者の属人的な経験に依存してしまうと起こり得ることとして、他の作業者が作業を行わないことで、作業分散ができず負担が特定の作業者に集中してしまうこと。そして何より、属人的な業務を改善しようとする考えを閉じ込めてしまう。私たち東神倉庫は複数の顧客を持ち、何人もの作業員を動員、顧客毎の物流波動を吸収する仕組みを作ることができている理由は、まさしく“業務の標準化”だ。しかしながら、東神倉庫は“人”による作業を得意としていても、人が“誤る”ことは完全に排除できない。完全な排除が難しい場合、業務の標準化には作業を統一化することだけではなく、ソフトウェア(形のないもの)、ハードウェア(形のあるもの)の双方を効率的に導入していくことが大切である。

課題を見つけ、最適解を見つけるための取り組み

商品名称や数量、ロット、シリアル、滅菌期限管理は大前提のこと、入数や梱包数、類似品の区別、保管方法の見直し、そして既に所有のハンディーターミナルでは読めないDataMatrix(データマトリックス)コードも読めるようバーコード機器も導入したことで、これまでシステム登録ができていない製品も全てシステム管理対象とした。全てシステム管理対象とすることの他、更に製品の特性を掴み、管理項目やフラグ、アラート有無を整理しながら、システム開発も同時に進めた。また、取り扱う製品群に適性のあった当時先鋭的な物流ソリューションとして音声物流システムを導入させ、工数削減と品質維持・向上を図った。東神倉庫としても新しい仕組みの導入であったが、導入前に幾重にも分析・検証を行ったことは言うまでもない。

検品精度の他に、音声システムにより二重・三重の検品が不要となった。音声システムで使用するハンディーターミナルは指先に装着するため、作業者の両手が使え、作業のスピードアップも実現したことは導入の効果といえる。ここで満足してはいけない。例えばハンディーターミナルにはバイブレータやアラート機能を追加した上、商品配置を徹底的に探究し、間違いやすい商品は隣り合わせにしないなど注意ロケーションに振り分けた。ミスの発生要因を限りなく取り除いた。導入した機能だけではなく、作業ミスを防ぐため何重もの仕組みを取り入れた。

東神倉庫拠点は居住エリアが近接していることもあり、作業員の定着率が高い。ベテランと謂われる者が多数在籍していることも大変有難いことだが、教育体制や仕組みが大前提となることは間違いない。精神論で業務標準化はできず、全員で“ミスをしない仕組み”を作り上げることに執着している。

※当該お客様は東神倉庫との取引開始後約7年で、国内物量規模は約10倍の成長を遂げている。

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