物流アウトソーシングのメリット・デメリットとは?ご検討される方へ

更新日 2024.04.19
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物流アウトソーシングのメリット・デメリットとは?ご検討される方へ

物流アウトソーシングとは

物流アウトソーシングとは、自社で行っている物流関連の業務を外部の業者に委託することです。入出庫や在庫管理といった物流の中心的業務だけでなく、仕分けや棚卸、返品処理などの付帯業務まで代行してくれる企業もあります。

自社物流と物流アウトソーシングの違い

自社物流では自社が物流業務に関する責任やリスクを負う一方、物流アウトソーシングでは委託先の業者が責任やリスク、管理全般を一手に担います

また、自社物流では自社内の人員などのリソースを物流業務に割かなければならず、自社の従業員は必ずしも物流のエキスパートとは限りません。一方で、物流アウトソーシング先の企業のスタッフは専門的なノウハウや知識を持っており、効率的な物流や需要変化への柔軟な対応が可能です

3PL事業者への物流アウトソーシングについて

物流アウトソーシングに関連し、頻出する語句として「3PL」がございます。3PLについても少し触れておきたいと思います。

<注:東神倉庫の解釈を記載します。>

3PL(3rd Party Logistics)とは第三の事業者が荷主に対してロジスティクスの企画・立案・設計・運営を行う事業であり、包括して物流業務を受託する物流サービスのことです。(3PLにはアセット型とノンアセット型に分類することができますが、ここでは割愛させていただきます。)

3PLの定義は各サイトでも記載が違っており複数の見解があるように考えます。荷主と物流事業者以外の「第三の事業者」を3PLであると解釈される場合の他、「包括して業務を提供する事業者」として解釈する場合もあるようです。世間では物流会社というと大半が3PL事業者と呼ばれるようになっています

東神倉庫も一部の事業において3PL事業者ともなりますが、グループ会社や他社アセットも活用し、お客様にとって幅広く融通の利く最善最適な提案ができるよう努めております。

<国土交通省の3PL解釈>
物流:3PL事業の総合支援 – 国土交通省 (mlit.go.jp)

物流アウトソーシングの役割・目的

物流アウトソーシングは自社で行っている物流関連業務の工程全般を代行する役割があります。物流の具体的な工程としては「入荷検品」「入庫」「検品」「保管」「ピッキング」「流通加工」「梱包・出荷」があり、近年はカスタマーサービスや注文データ処理といった付帯業務まで代行する「フルフィルメントサービス」を提供する企業も増えています。

それぞれの詳細については以下を参照ください。
物流倉庫とは?倉庫の種類や業務内容、活用のメリットを紹介

委託元の企業としては、物流に関する業務全般をアウトソーシングすることで、自社の人員など限られたリソースをコア業務に投入したいという目的があります。また、自社物流で発生する倉庫の維持管理費や賃料、人件費などのさまざまなコストを「業務委託費」として一元管理できたり、コスト削減につなげたりすることができます

物流アウトソーシングのメリットとは

物流アウトソーシングのメリットを説明します。

コストの削減・明確化

物流にかかわるコストとしては保管費・荷役費・輸送費、物流管理費などがありますが、この中には人件費や倉庫の賃料などの固定費もかかります。固定費は繁忙期や閑散期にかかわらず一定程度かかりますが、物流アウトソーシングすることで自社の人員を確保する必要がなくなり、閑散期にかかる固定費削減を見込めます。

また、拠点を管理する人件費は必要経費含み1名単位でかかるものですが、物流業務をアウトソーシングすることで、人件費はその物流会社を起用する各企業で按分・コスト分散されます。特殊な管理・運営でなければ、物流アウトソーシングによる人件費は1名単位ではなく、1名“未満”のコストを設定することができます。

自社物流では多様なコストが発生し、トータルでどのくらい費用がかかっているのか可視化しにくい点がありますが、アウトソーシングによって委託費として費用を明確にできる点はメリットであり、物流波動に対しても適切なコストが発生することとなります。

以下の記事もご参照ください。
物流コストの削減方法とは?コストの内訳や増加する原因も解説

物流業務における作業工数削減

物流をアウトソースすること、すなわち自社で物流業務に割り振っていた作業工数を、お客様のコア業務に集中させることができます

また、物流業界に携わる身としてよく耳にする内容として、繁忙期にお客様の社員が揃って現場作業を手伝いに行くなんてことも伺うことがありますが、東神倉庫は繁忙期だからこそお客様のコア業務(商品企画や営業)に力を注いでいただきたいと思っています。

お客様の事業の成長は私たち物流会社にとっても喜ばしいものです。

物流品質の向上

アウトソーシング先の物流事業者は物流に関するプロであり、十分なノウハウや物流を効率化するシステム、設備や器具備品、仕組みを備えています。これは多くの業界・お客様を相手に培った実績・知見を活かすことが必要となるものの、物流に関して多くのアドバンテージを持っていると断言できます。
物流会社は在庫管理の他、物流現場の効率化を考えた倉庫管理システム(WMS=Warehouse Management System)および仕組みを備えていることが多く、競合他社との価格競争から、精度と作業スピードを兼ね備えた物流提案ができる場合があります。

業界に精通した物流事業者を選定することが大事ですが、特に医療機器や化粧品といった一般貨物よりもデリケートな商材を扱う場合は、専門的なノウハウを持つ物流事業者にアウトソースすることで、自社対応よりも安全・安心な物流を実現できる可能性が大いにあります
医療機器・化粧品物流の品質にお悩みの方はこちらの記事(WP)をご参考ください。
物流品質向上はどのように実現できる?医療機器・化粧品物流における品質向上のベストプラクティス

では、反対に物流のアウトソーシングのデメリットとは何か、ご紹介します。

物流アウトソーシングのデメリットとは

物流アウトソーシングにはデメリットもあり、委託をする前にあらかじめ認識しておく必要があります。

柔軟な対応ができない場合がある

対応不可となる場合とは、例えば「人の感性」によって作業をする場合や、「手順にないものでも意図を汲む」等の作業です。作業手順を文書化することができるもの、画像等で判別が付くものに対しては殆どの作業は可能ですが、条件や仕様を定めることができないものは苦手な分野となります

条件や仕様を定めることができないものに関しては、ヒアリングを重ねるといったように多少の労力をいただくことになります。手書きのメッセージカードの同梱など、標準化が難しい作業には対応していないケースもありますが、高度な流通加工や細かな作業に対応している場合でも、その分コストが高くなってしまう可能性もございます。

責任の所在が不明になりやすい

2つ目は事前の取り決めが不十分ですと、責任の所在が不明確になりやすい点が挙げられます。
例えば商品に不備・不具合があった場合、その責任は自社にあるのか委託先の企業にあるのかあいまいになるケースがあります。また委託先がさらに下請け会社に業務を委託(再委託)していることもあり、どの工程の責任をどの主体が負っているのかがブラックボックス化してしまうことがあるため、契約時に責任の所在を明確にし、再委託有無をご確認しておく必要があります。
委託内容によっては再委託を禁止する等の措置も検討してはいかがでしょうか。

自社にノウハウが蓄積されにくい

物流業務全般を委託すると、自社に物流関連のノウハウが蓄積されにくいデメリットもあります。この先もアウトソーシングし続けるのであれば問題ありませんが、自社で物流を行うことになった場合、スムーズに業務を行えなくなる可能性があります。

ここまでアウトソーシングのメリット・デメリットをお伝えしてきました。さて、次章では、アウトソーシングをするとなった際の流れをご説明します。

物流をアウトソーシングする際の流れ

アウトソーシングする際の流れを以下のステップに沿って解説します。

・業者の選定と問い合わせ
 自社の商材に適した業者を選定したうえで問い合わせる。

・打ち合わせ
 打ち合わせの段階で自社のニーズを伝え、どのような工程・対応まで可能かをすり合わせる。

・見積内容の確認
 自社のニーズに対してどの程度費用がかかるか見積書を提出してもらい、必要な予算を把握する。

・契約・委託開始
 見積もり内容の承諾後、業務委託契約書を締結する。契約締結後にアウトソーシング開始。

アウトソーシングを成功させるには、委託先の選定が重要であり、できるだけ複数の業者を視野に入れ、自社に合った委託先を選定する必要があります。以降では、アウトソーシングする際の物流業者の選定ポイントについて解説します。

物流業者・会社を選ぶ3つのポイント

アウトソーシング先の業者を選ぶポイントとして以下3点を紹介します。

自社のニーズを満たすサービス内容か

まずは自社が求めるニーズに対応できるかが重要です。
提案する拠点立地、設備要件、組織や教育体制、どのようなシステムを使って管理しているのか、の基本的事項の他に、どのような作業や要望は難しいのか、良い部分だけではなく対応が難しい部分も把握するべきです。

実際に運用が始まった後に後悔は避けたいものですが、あれこれと要望を高めすぎても選定可能な業者とコストが希望に沿わなくなる可能性もありますので、整理すると良いでしょう。
作業人員を要するお客様にご注意いただきたい項目として、「作業動員がしやすい地域か」があります。作業員の動員が難しい地域では、人を集めるのに苦労し、結局はお客様にて作業をしていることも作り話ではありません。そのため、周辺環境も併せて確認することをお勧めします。

実績は十分か

過去に自社と同様の規模や商品を扱う案件を多く引き受けている実績があれば、ノウハウが蓄積されていると考えられます。実績があれば、業界や商品に対しての知識はもちろんのこと、システムといったソフト面においても実績を蓄積しているものと推測、信頼や安心感に繋がります。

料金が適正かつ明確か

提供されるサービスに対して適正な料金かどうかも重要なポイントです。見積もり段階で複数の業者を比較し、見積もり内容を詳細に確認するとともに、追加料金が発生する条件なども事前に確認してください。

コストばかりに注目するとサービスの質やサポートが不十分である可能性も否定できず、自社が求めるものを明確にしておく必要があります。特に低すぎる単価の提示があった場合は契約期間や契約条件によく目を通していただきたいです。契約期間後の値上げ交渉に発展することもあります。

ここまで物流のアウトソーシングを行うメリット・デメリットから、委託の流れや選定のポイントを網羅的に紹介しました。
自社で物流業務を担う場合、コア業務の圧迫や高コスト体制の継続、物流品質の向上を阻害している可能性が高いため、事業成長を狙っている企業は早い段階でアウトソーシングを検討すると良いと考えます。アウトソーシングはしない判断をされたとしても、各物流会社の対応方法を知る機会となり、自社の物流体制の向上に貢献できる可能性があります。

医療機器物流・化粧品物流のアウトソーシングは東神倉庫へ

東神倉庫では医療機器・化粧品も扱う高品質な物流サービスを提供しています。
利便性の高い倉庫立地を活用し、輸送料貢献は勿論のこと、作業員の動員および高い定着率は熟練スタッフを多数輩出、丁寧な作業で品質を保証し、作業生産性としてお客様の物流コストの削減に貢献します。作業標準書や手順書の文書化および教育、継続的な力量調査による人員配置を行うなど、独自の品質向上のための取組みを行っています。

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医療機器・化粧品物流サービス

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